◇ ビートのゆでかた・下ごしらえ
@ 必ず皮付きのまま、ビートを鍋に入れて、全体が浸るまで水をたっぷり注ぐ。塩または酢を水に加えることは、ビートのような根菜類の場合は、とくに必要ない。
A 根菜類は水が冷たいまま、ゆで始める。最初は強火、沸騰したあと中火〜弱火でゆで続ける。蒸し器で加熱調理してもよい。電気蒸し器(上下2段・給水口付き)はタイマーで時間設定ができるため、とても便利。ビートの個数が多いときは、上段のプレートを外して、上下段をいわば「吹き抜け」状態にすることが可能。ただしティファール社の「スチームクッカー」は製造中止となった(在庫品・中古品のみ購入可)。
B ゆで加減:竹串を刺して、ビートの中心部まですっと入るようになれば出来上がり。ゆで時間はおよそ30〜90分(ビートの大きさと個数による)。
C ゆであがったビートを笊に移す。約1時間おいて粗熱を取り、よく冷ます。
D ビートの上端・下端は包丁で切り落とし、それ以外の部分は手で皮をむく。充分にゆであがっていれば、皮がつるんとむける。
E 下ろし器で粗く下ろし、フリーザーバッグに入れて冷凍保存する。数日以内に使い切る場合は、ストックバッグに入れて冷蔵保存も可。ビートを2個以上ゆでた場合は、色と味を均一にするため、よく混ぜ合わせてから保存する。
◇ ウクライナ風ボルシチ
「ウクライナ風ボルシチ」のレシピは、下記のページをご覧ください。レシピをクリックすれば、リンク先に移動します。
第1部 ボルシチの起源と調理法
第Y章 ボルシチのレシピ(ロシア帝国時代)
レシピ5 「ウクライナ風ボルシチ」アヴヂェーエヴァ『料理ポケットブック』初版1846年
レシピ6 「ウクライナ風ボルシチ」М. Андреев『新しい完全な料理ハンドブック』初版1837年
レシピ7 「ウクライナ風ボルシチ」アヴヂェーエヴァ『ロシアの経験豊かな主婦のハンドブック』第6版1848年
レシピ8 「純ウクライナ風ボルシチ」著者不明『ロシアの経験豊かな主婦の完全な料理書』新増補版1875年
レシピ9 「ウクライナ風ボルシチ」著者不明『最新ロシアの経験豊かな熟練料理人、経理係と菓子職人』第2版1844年
レシピ10「ウクライナ風ボルシチ」И.М. Радецкий『美食家大鑑』初版1855年
レシピ12「ウクライナ風ボルシチ」モロホヴェツ『若い主婦への贈り物』初版1861年
レシピ13「ウクライナ風ボルシチ」同上書 最終第29版1917年
レシピ14「ウクライナ風ボルシチ」アレクサンドロヴァ=イグナーチエヴァ『調理技術の実践基礎』第10版1914年
レシピ15「ウクライナ風ボルシチ ウクライナではどのように作っているか」同上書 第10版1914年
第Z章 ボルシチのレシピ(旧ソ連〜現代)
レシピ17「ウクライナ風ボルシチ」『おいしくて健康に良い食べ物の本』レシピの初出:1952年
レシピ19「ウクライナ風ボルシチ」『料理法』初版1955年
レシピ21「[牛]肉入りウクライナ風ボルシチ」『有名なウクライナ料理』初版2014年
◇ 野菜ボルシチ
「野菜ボルシチ」овощной борщ は、文字どおり野菜だけで作ったボルシチです。肉類は一切使わず、したがって牛・豚などのブイヨンをあらかじめ仕込む必要がありません。
同じような野菜スープとして、@「ダイエット用ボルシチ」диетический борщ、A「ベジタリアン(菜食主義者)のボルシチ」вегетарианский борщ、B「精進ボルシチ」постный борщ などと呼ばれるものがあります。これらのうち、@「ダイエット用ボルシチ」は、野菜100%とは言えない、たとえばビーフブイヨンをベースにしたり、脂身の少ない肉を用いたりするレシピも存在します。A「ベジタリアンのボルシチ」、B「精進ボルシチ」については、「野菜ボルシチ」と基本的に同じ、つまり野菜だけのボルシチと考えてよいでしょう。
ただし「野菜ボルシチ」と銘打っていても、上記の「ダイエット用ボルシチ」のように、肉を煮出したブイヨンや、固形スープの素を使うレシピも若干あります。それゆえ野菜100%にこだわる場合は、「ベジタリアンのボルシチ」「ヴィーガンのボルシチ」 веганский борщ または「精進ボルシチ」 のレシピに基づくことをお勧めします。
ここで紹介するレシピでは、肉類の代わりに乾燥キノコを隠し味として用います。とりわけ「キノコの王様」と呼ばれる「ポルチーニ」(和名「ヤマドリタケ」)は、ビートとの相性がとてもよく、他のキノコ類とともに、東方正教会の精進料理に欠かせません。ただしポルチーニは高級食材ですので、隠し味としての分量に限定して、食材費を抑えました。乾燥キノコは植物性タンパク質を多く含むため、動物性タンパク質を取ることができない場合に(菜食・精進などの理由で)、その代替食品となります。同じくインゲンマメ(隠元豆)などの豆類も、タンパク質の優れた供給源となります。
下記の一覧表のうち、6つの基本食材(ビート・キャベツ・ニンジン・タマネギ・セロリ・トマトペースト)には重さの比率が記されています。これはウクライナ出身のイリヤ・ラゼルソーン Илья Лазерсон の料理書に拠るものです。詳しくは当サイト第1部「ボルシチの起源と調理法」第Z章 ラゼルソーンのレシピ をご覧ください。
ラゼルソーンは、ジャガイモをボルシチに加えることを勧めていません。詳しくは下記のジャガイモの項目をご覧ください。
ラゼルソーンのレシピに含まれないもののうち、浄水、乾燥ポルチーニと種抜きプルーンの重さの比率は、当サイト開設者の経験に基づいています。またインゲンマメとゼラチンは必須食材ではありませんので、自分の好みに従って適量を加えたり、食材リストから除いたりしてください。
食材の重さの比率が決められている場合、最も大きな利点は、たとえばビートが570gあって、それをすべて使い切りたいときに、残りの食材の分量がおのずと決まってくることです。さらに言えば、そのときどきの状態や条件の違いに関係なく、ある程度「安定した」、いつもの味に近いボルシチを作り出せることです。
当サイト「ボルシチの起源と調理法」第X章47頁 より:
「野菜ボルシチ」を作る場合、食材の調理法として、上記の熱処理「ゆで」「炒め」「蒸し煮」に加えて、下ごしらえの段階における「乾燥」(ポルチーニ・プルーン)、「冷凍」(ビート・キャベツ・ニンジン・タマネギ・セロリ、下記【作りかた】参照)、さらには「オーブン焼き」(ビートをオーブンで焼くとき)、「発酵」(発酵ビート・発酵キャベツを用いるとき)などが挙げられます。
マカレーヴィチは、ボルシチを「多人数分でないとうまく作れない料理」のひとつとしたうえで、@ 大容量の鍋(最低6ℓ)、A 厚板の鍋、を勧めています。つまりボルシチは厚板の大きな鍋で沢山作ったほうがよく出来る、ひいてはよりおいしくなる、ということでしょう。〔当サイト マカレーヴィチのレシピ 参照〕 ちなみに当サイトの開設者は、上記@Aの条件を満たすため、ドイツ・フィスラー製のシチューポット(10.3ℓ)を愛用して、約30人分のボルシチを作ることを常としています。
【食 材】
〔食材の重さの比率〕
6つの基本食材 ビート 4に対して、キャベツ 3、ニンジン1、タマネギ 1、セロリ 1(なくても可)、トマトペースト 0.5
例: ビート400g、キャベツ300g、ニンジン100g、タマネギ100g、セロリ100g、トマトペースト50g 〔当サイト ラゼルソーンのレシピ 参照〕☞ 当サイトの開設者は、タマネギの比率を1から1.5まで増やすのを常としている。それ以外は上記の比率どおり。
☞ ラゼルソーンは、セロリは なくても可 としているが、あるとないでは風味に大きな差が出てくる。セロリが嫌いな人の場合は、たとえば比率1ではなく、0.5またはそれ以下に減らすのもひとつの方法。
☞ ラゼルソーンは、トマトペーストを指定する。ロシアでは、トマトペーストの固形分は25〜40%、トマトピューレの固形分は12〜20%。日本の某食品メーカーによれば、トマトペーストは生トマトに比べて約6倍の濃さに、トマトピューレは約3倍の濃さに濃縮したもの。それゆえ大まかに見て、トマトペーストはトマトピューレよりも約2倍の濃さがある。
☞ トマト味を抑えたい場合は、トマトペーストの比率を減らすか、あるいは比率はそのままで、トマトピューレや濃縮していないトマト(缶詰・紙パックなど)で代用する。ジャガイモ(なくても可)
☞ ラゼルソーンは、ボルシチにジャガイモを入れることを勧めていない。なぜなら、ボルシチの酸味がジャガイモを硬くして、スープの味を損ねてしまうからである。それでも好みによって入れる場合は、ニンジンよりも少ない比率で、ジャガイモを粗く下ろして、キャベツとともに加える。ジャガイモを粗く下ろすのは、その澱粉をスープに溶け込ませて、とろみを付けるためである。〔当サイト ラゼルソーンのレシピ 参照〕
☞ 同じくマカレーヴィチも、ジャガイモを勧めていない:「私はジャガイモを用いない。ボルシチには合わないから」。〔当サイト マカレーヴィチのレシピ 参照〕ビートの重さ100%に対して、浄水 350%、乾燥ポルチーニ 5%、種抜きプルーン 15〜20%
例: ビート400g、浄水1400㎖、乾燥ポルチーニ40g、種抜きプルーン60〜80g☞ 隠し味としての乾燥ポルチーニを5%より多く入れてもよいが、食材費は高くなる。
インゲンマメ(なくても可)、ゼラチン(なくても可)
☞ インゲンマメは、市販のレッドキドニー(赤隠元豆、缶詰・レトルト食品)で代用可。分量は好みによる。食材費が高くなるので、インゲンマメを入れなくてもよい。
☞ ちなみにマカレーヴィチは、ボルシチに「インゲンマメの缶詰を加える。インゲンマメは繊細でまろやかな味をもたらす」と述べている。〔当サイト マカレーヴィチのレシピ 参照〕
☞ ゼラチン(牛・豚由来)は、ジャガイモと同じくスープにとろみを付けるため、また味をまろやかにするため、ほんの少し加える(全体の容量の約1%、1ℓにつき10gほど)。ゼラチンのふやかしかたは、購入した商品の説明に従うこと。ふやかすための浄水は分量外。そこまで手間をかけない・食材費を抑える・菜食主義に徹する、などの場合は、ゼラチンを入れなくてもよい。ローリエ(月桂樹)(なくても可)、ディル、パセリなどの香草(好みで)、レモン果汁(好みで)、塩(必須)、黒胡椒(好みで)、サワークリーム(好みで)
☞ ローリエ(月桂樹)には肉や魚の臭みを消す作用がある。野菜ボルシチの場合は、とくに必要ない。
☞ ディル、パセリなどの香草のうち、パセリはスープ用としてはイタリアンパセリがお勧め。またディル(和名イノンド)は、ボルシチの風味を豊かにするうえで欠かせない食材。ラゼルソーンのレシピでは、ディルは基本食材のひとつに含まれていないが、それは塩と同じように、ディルを入れることが当然の、いわば〈前提条件〉とされているからか。あるいは、基本食材のひとつに含まれるセロリが、ディルと同じセリ科の香味野菜として用いられているからか。いずれにせよ、ディルを加えるのは、(1) ボルシチを煮込むときに、調理の仕上げ用として、(2) 調理が終わり、ボルシチをお皿に盛って、振りかけ用として、の2つに大別される。調理の最終段階で加えるのは、熱で香りが飛んでしまわないため。(2)の振りかけ用は、サワークリームとともに。とはいえ、ディルは日本ではとても高価な食材である。それゆえ食材費を抑える目的で、(1)の仕上げ用ではなく、(2)の振りかけ用、言い換えればほんの少しの「飾り」用として、下記のA塩漬けを除く@BCのどれかひとつを加えるのがよい。
なお、ディルは@新鮮な生野菜が最も望ましい。それが手に入らないときは、A塩漬け、B冷凍、C乾燥したもので代用する。Cの商品名:「ディルウィード」。ただしディルの香りは、@新鮮な生野菜が最も強く、以下、ABCの順で弱くなる。
☞ レモン果汁は、ビートの赤色を保つために、調理の最後に加える。生レモンの搾り汁または市販の濃縮還元ジュースのどちらでもよい。これに関連してラゼルソーンは、次のように述べている:「酢のように酸っぱいものは、ビートの色を保つと言われている。実際には、この説はあまりにも強調され過ぎたようだ。たしかに酸っぱいものはビートの色褪せを防いでくれるが、酸っぱいものを入れてビートを煮ると、その調理時間はすごく長くなってしまう。〔中略〕酢を加える必要はない。たとえ酸っぱいものにはビートの色を保つ優れた効果がある、と信じていても。酸味による [ボルシチの] うまみは、トマトだけで充分に出せる」。〔当サイト ラゼルソーンのレシピ 参照〕 それゆえ調理時間が長くなるのを防ぐために、レモン果汁は調理の最初または途中ではなく、最後に入れるほうがよい。
☞ 塩:海塩または岩塩、好みで。海塩のうち、フランス産「ゲランドの塩」、沖縄産「ぬちまーす」はお勧め。
☞ 黒胡椒の粒をペッパーミルで挽いたものを振りかける。
☞ サワークリーム:市販のサワークリームでもよいが、生クリームとプレーンヨーグルトを1対1から1対2のあいだで混ぜ合わせたものを用いれば、乳脂肪分を好みの濃さに調整できる。プレーンヨーグルトは「脂肪ゼロ」を謳っていないほうを選ぶ。「生乳100%」と表示されたものや、「ブルガリアヨーグルト」「カスピ海ヨーグルト」などはとくにお勧め。
〔食材の下ごしらえ〕
* ビート 皮付きのままゆでる、または(蒸し器で)蒸す⇒皮をむく⇒下ろし器で粗く下ろす。
☞ オーブンで焼いたビートを勧める料理研究家もいる。例:Ника Белоцерковская、Юлия Высоцкая。
* ニンジン・セロリ ニンジン:下ろし器で粗く下ろす。セロリの茎:筋を取ったあとで粗みじん切り。セロリの葉:粗みじん切り。
* キャベツ 幅3〜4oの千切り。ビート・ニンジンを下ろし器で粗く下ろすときの幅に合わせる。(理由:同じ幅でカットされた食材のほうが、調理のあと皿に盛り付けて、それらを口に含んだときの食感が良くなる)
* タマネギ みじん切り(ラゼルソーンのレシピでは半月切り)。
* 乾燥ポルチーニ 笊に入れて、さっと流水で洗ったあと、ボウルに移して1〜2カップの浄水に漬ける。戻しかたは、購入した商品の説明も参照のこと。戻し汁は、浄水の分量350%に含まれる。戻し汁を目の細かい濾し器、キッチンペーパーなどで濾して砂を取り除く。戻したキノコは粗みじん切り。
* 種抜きプルーン 細かく刻む。最終的にはブイヨンに溶け込むため、殆ど見えなくなる。
【作りかた】
〔ボルシチを作る前日〕
6つの基本食材のうち、トマトペーストを除く5つの食材(ビート・キャベツ・ニンジン・タマネギ・セロリ)の下ごしらえを行ない、それぞれ食品用ポリ袋に入れて、冷凍する。あらかじめ冷凍庫に充分なスペースがあるのを確認しておく。
☞ 一時的に冷凍して、すぐに使い切るため、ふつうの食品用ポリ袋を用いる。
☞ すでにビートが備蓄品として冷凍保存されているときは、ボルシチを作る当日、そのまま必要なだけ取り出して自然解凍する。
〔ボルシチを作る当日〕
@ 調理を始める数時間前に、冷凍庫から上記5つの食材を取り出して自然解凍する。ビートの解凍は他の食材よりも多く時間がかかるので要注意。
A 乾燥ポルチーニと種抜きプルーンの下ごしらえ(上記〔食材の下ごしらえ〕参照)。
B フライパンに解凍したタマネギを入れて、弱火で加熱する。ときどきヘラでよくかき混ぜる。植物油やバターなどは使わない。
C タマネギが色づき始めたら、刻んだポルチーニを加えてかき混ぜる。フライパンに蓋をして、約10分〈蒸し煮〉する。
D 上記BCと並行して、以下の作業を始める。まず鍋に浄水を入れて、蓋をする。中火で加熱して沸騰させる。水にこだわる場合は、好みのミネラルウォーターを入れる。沸騰したら蓋を取る。これ以降、EからMまで、鍋に蓋をしない。
E 種抜きプルーンを鍋に入れて、お玉でよくかき混ぜる。
F 解凍したセロリを入れてかき混ぜる。
G 沸騰してから、解凍したキャベツを入れてかき混ぜる。ジャガイモを入れる場合は、キャベツをしばらく煮たあとで。
H 再び沸騰してから、解凍したニンジンを入れてかき混ぜる。灰汁をこまめにすくい取る。
I 再び沸騰してから、Cのタマネギとポルチーニを入れてかき混ぜる。
J トマトペーストまたはトマトピューレを入れてかき混ぜる。
K 解凍したビートを入れてかき混ぜる。ふやかしたゼラチンを加える場合は、このあとで。
L 塩を数回に分けて加えながら、よくかき混ぜる。そのつど味見をする。塩加減はとても重要な作業なので、次のMに進む前に行なう。ただし塩漬けのディルを用いる場合は、この段階で加える。言い換えれば、香味野菜やレモン果汁などの風味に惑わされることなく、それらを入れる前に、微妙な塩加減に〈集中〉すること。
M 香味野菜やレモン果汁は、Lの塩を入れたあとで加える。最後に、好みで黒胡椒を振りかける。
N 鍋に蓋をして、鍋敷きの上に置く。通気性の良い脚付きの「ワイヤー鍋敷き」が望ましい。気密性の高いコルク製は避けること。
O 保存容器、できれば熱伝導率の高いアルミ容器を数個用意して、それらの中にスープを移し替える。Nと同じような鍋敷きの上に容器を置いて、粗熱を取る。そのあとで冷蔵庫に入れて保存する。
◇ ビートのアイスクリーム(全卵使用)
通常のアイスクリームは卵黄を用いるため、作ったあとで卵白が残ります。残り物の卵白を活用するレシピとして、たとえばメレンゲ(卵白+砂糖)、卵白アイスクリーム、卵白ケーキなど、いろいろと考案されています。ここで紹介する「ビートのアイスクリーム」は、@ 全卵を使う、A 冷凍庫に入れるだけ、つまりただ容器に流し込んで冷凍庫に入れればそのまま完成、というすぐれものです。
【食 材】 150㎖蓋付き保存容器 約8個分(1個当たり約100㎖流し込む)
* ビートのペースト 150g(ペーストとして出来上がったときの重さ)
☞ 下記の【作りかた】@参照。
* 全卵 1個(新鮮なもの、銘柄にこだわって選ぶ)
* 生クリーム(純乳脂肪)200㎖(=市販品1パック、冷蔵庫のチルド室で保存する)
* レモン果汁 小匙2(10㎖=生クリーム200㎖の5%、生クリームの泡立て時間が短くなり、気泡の状態も安定する)
* シナモンパウダー 小匙1(なくても可)
* テンサイ糖 20g(上白糖またはグラニュー糖でもよい)
* 蜂蜜 20g(花の種類:アカシア、レンゲなど、広く流通しているもの)
* 種抜きプルーン 60〜70g(包丁で細かく刻む、ビートと相性がとても良い)
☞ 種抜きプルーンは、隠し味としてビートのペーストに直接混ぜる。
☞ 蜂蜜と種抜きプルーンは、ビートのいわば「単調な」甘味にコクを出すために加える。
* ロースト クルミ 30g(トッピング用、好みで増量可、包丁で粗く刻む、またはポテトマッシャーで粗く潰す)
☞ 生クルミの場合は、160℃に予熱したオーブンで約10分、または100℃で60分ローストする。
☞ 種抜きプルーンとクルミは、前菜としての「ビート サラダ」によく用いられる、おなじみの食材。
【作りかた】
@ ビートのペースト:皮付きのまま加熱調理した(ゆでる・蒸す)ビートの皮をむく。下ろし器で粗く下ろす。アイスクリーム用に限定する場合は、ビートの皮をむかずに下ろしてもよい。フードプロセッサー、ハンドブレンダーなどで、ビートに種抜きプルーンを加えて5〜10秒攪拌する。
A 大きさの異なるボウル2個を用意する。食材を入れるボウルと、それよりもひと回り大きいボウルを使って、湯煎する。ひと回り大きいボウルに約60〜70℃のお湯を注ぐ。お湯の量は容器の1/3〜半分程度。食材用のボウルに全卵・テンサイ糖・蜂蜜を入れ、お湯を注いだボウルに重ねる。ハンドミキサー(電動)で泡立てる。食材が人肌ほどの温度になったら湯煎から外す。全体がもったりして、持ち上げるとビーターから滴り落ちるようになれば出来上がり。
☞ スポンジケーキの「共立て法」(湯煎した全卵を泡立てる)と作りかたがよく似ている。
B 氷水を入れたボウルに、生クリームとレモン果汁を入れた別のボウルを重ねて、ハンドミキサー(電動)で泡立てる。角が立つくらいの「8分立て」。
C 泡立てた全卵Aに、ビートのペースト@を加えて、泡立て器(手動)でよく混ぜる。さらに8分立て生クリームBとシナモンパウダーを加えて、均一の薄紅色になるまで混ぜ合わせる。
D 上記Cをスプーンで保存容器に流し込む。トッピング用のクルミを散らす。保存容器に蓋をしたあと、冷凍庫に入れて凍らせる。蓋付きの保存容器は、上下重ねることができる。
